膠とは?膠の種類。膠の溶き方。膠が買えるお店。(ニカワ・にかわ)

SUMIアートとは/技法
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SUMIアート「膠(にかわ)を溶かす」色作りに欠かせない、膠液(にかわえき)の作り方。種類と溶かし方。使い方のコツ。日本画の技法の基本です。ニカワが買えるお店は概要欄に載せますね!
優華のアートありがとうチャンネルより

絵を定着させる膠(にかわ)

絵を描く、、、絵が成立するためには、

「描く物」と「描かれる物(基底物)」が

必要です。

それは

「描く物」=画材を「描かれる物」支持体

定着させる、ということです。

描く画材で一般的なものは、例えば、

えんぴつ、色えんぴつ、クレヨン、クレパス

クーピー、水彩絵の具、油絵具、アクリル絵

の具、墨、マジック、、、等々。

描かれる支持体で一般的なものは、

紙、キャンバス地、綿、麻、絹、木、漆喰、、、

等々です。そして定着させるためには

必ず「接着剤(糊)」が必要になります。

今日はその「接着剤(糊)」のお話です。

膠は世界の絵の具の接着剤

では、世界で使われている絵画材料の

「接着剤(糊)」はどんなものがあるので

しょうか?代表的なものを挙げてみます。

画材と共に、支持体も載せてあります。

①鉛筆画

●画材・・・鉛筆

(鉛筆の芯は黒鉛と粘土を練ったもので、

紙に強くこすりつけることによって

描く事ができます。)

●支持体・・・洋紙・和紙など

●接着剤・・・なし

●消すもの・・・消しゴム

(紙の表面を摩擦によって削り取ります。)

 ※最終的に定着させるためには

 フィキサチーフを塗布する。

②木炭画

●画材・・・画用木炭

●支持体・・・洋紙(木炭紙)

●接着剤・・・なし

●消すもの・・・食パン

 ※最終的に定着させるためには

 フィキサチーフを塗布する。

③テンペラ

●画材・・・顔料

●支持体・・・板にボローニャ石膏で地塗り、

       キャンバス地など

●接着剤・・・鶏卵の黄身

       蜜蝋、カゼイン、黄身+油、等

●消すもの・・・乾く前に何とかする(笑)

        上から塗る。

④油彩画

●画材・・・油絵の具

●基底物・・・キャンバス地、木、金属、紙、

       革など

●接着剤・・・速乾油

●消すもの・・・乾く前に何とかする(笑)

       上から塗る。

⑤水彩画

●画材・・・水彩絵の具

●基底物・・・洋紙・和紙など

●接着剤・・・アラビアガム

●消すもの・・・なし

⑥日本画

●画材・・・岩絵の具、水干絵の具、

      墨、など

●基底物・・・和紙、絹、木など

●接着剤・・・膠

●消すもの・・・湯

⑦水墨画

●画材・・・墨、顔彩など

●基底物・・・和紙、木など

●接着剤・・・膠成分

●消すもの・・・なし

⑧アクリル画

●画材・・・アクリル絵の具

●基底物・・・紙、木、ガラス、金属、何でも

●接着剤・・・アクリル樹脂

●消すもの・・・乾く前にとる。

⑨パステル画

●画材・・・パステル

●基底物・・・紙など

●接着剤・・・油成分、蝋など

●消すもの・・・消しゴム

 ※最終的に定着させるためには

 フィキサチーフを塗布する。

膠(ニカワ)とは

膠とは

色々な膠(左からドーサ液、京洛膠、京上膠、
三千本膠、魚由来三千本膠、軟靭鹿膠)

ゼラチン(コラーゲン)というたんぱく質を

主成分とする接着剤です。動物の皮革や骨髄

から作られます。

「にかわ」という言い方は皮を煮て作るとこ

ろからきているとも言われています。

本来、接着剤としての用途が中心ですが、

絵具や絵画下地の層を分けるための用途(バ

インダー)、また、膠をさらに純粋に生成した

「ゼラチン」は食用や写真用にも使われます。

種類としては和膠洋膠があります。

和膠の方が不純物が多いのですが、柔軟性に

富み、絵画用としては適しているとも言われ

ています。

現在は牛を原料としていることがほとんどです。

作り方としては、動物の骨、皮、腸、腱などを

煮出し、繊維質の高タンパクな排出液(コラ

ゲン)を濃縮、固め、乾燥させて作ります。

膠(ニカワ)の種類

①三千本膠

dav

主に日本画用として一般的です。

棒状に乾燥させた膠で一本がだいたい10g

接着力は粒膠、鹿膠よりやや弱いですが、

穏やかに効きます。

②鹿膠

dav

1cmほどのサイコロ状で、透明性に

優れ接着力が強いです。修復などにも使われ

ています。腐敗しにくい特長があります。

③兎膠

兎の皮革を煮出してつくります。

色が薄く、膜が柔軟性がありますので、

テンペラ画等の石膏地、白亜地のバインダー

として使われます。

④パール膠(粒膠)

dav

を起源とする粒状の膠。

ウサギ膠よりふやかしやすいです。比較的

価格が安いことから、ウサギ膠の代用に用

いられます。

⑤簡易膠液

(吉祥 日本画用絵具 膠液 100cc)

湯煎しなくてもそのまま絵の具と練って

使えます。とても簡単に使ええる、

手ごろな膠液です。SUMIアートでは、

教室では三千本膠を湯煎しますが、

個人でお家でお使いになられる時などは

こちらをお勧めしています。

膠(ニカワ)液の作り方

基本的には分量の水を加えて煮溶かします。

①膠の分量を量ります。

三千本膠は折ります。(タオルでくるんで

手で折ったり、ペンチを使ったりします。)

その他の膠は重さなどを諮ります。

分量はだいたい

三千本膠1本(約10g)に水100cc

用途によって刻したり薄くしたりします。

②膠鍋に分量の水と膠を入れる。

膠鍋が無ければ、ビンでもOKです。

③湯煎する。

あれば電熱器、キッチンのコンロでも

大丈夫です。大きなボールか鍋に湯をはり、

膠鍋を入れ、コトコトと弱火で煮溶かす。

◎注意・・・沸騰させると膠の接着力が

落ちるので気をつけてください。

◎コツ・・・前日から水につけておく

火にかけてすぐに膠が溶けるので便利です。

◎膠は冷蔵庫で保存してください。

夏期は3日、冬期は1週間が保存限度

ですが何度も煮溶かしたり、日が経ったり

すると接着力が落ちます。

※この記事のトップに張り付けて

ある動画『膠を溶く』をぜひ

ご覧ください。湯煎の仕方など

わかりやすく解説しております。

https://youtu.be/-Ob6Fta8HVg

膠(にかわ)が買えるお店/日本画材料店

・ウエマツ

東京都渋谷区渋谷2-20-8 宮益坂下

03-3400-5556

10:00~19:00(月~土)

10:00~19:00(祝祭日) (日/年末年始 休)

・喜屋

東京都文京区湯島3-44-8

03-3831-8688 03-3837-3587(FAX)

10:00~18:30 (月休)

・ユザワヤキラリナ京王吉祥寺

東京都武蔵野市吉祥寺南町2-1-25

キラリナ京王吉祥寺8F・9F

0422-79-4141

年中無休(臨時休業あり)

※店舗に直接お問合せください。

・世界堂

東京都新宿区新宿3-1-1

03-5379-1111

・絵具屋三吉

神奈川県横浜市中区不老町1-4-12

045-641-9318 045-664-3786(FAX)

11:00~18:00 (日・月休)

・放光堂

京都市中京区烏丸通二条下る西側

075-231-0817 075-252-1060

・彩雲堂

京都市中京区姉小路通麩屋町東入る

075-221-2464(℡&FAX)

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